坂の上の雲と会社生活

スーです。


今更、坂の上の雲かよ。

という話ですが、自分用のメモとして残します。


坂の上の雲は、スー父がお気に入りの本で、

「あと10年早く読んでおきたかった…」

と言っていたのを強く覚えています。


就職して、会社役員の方も坂の上の雲を絶賛お勧めしていたので
社会人なってすぐに読みました。

若かりし頃はよく分からない内容でしたが、社会の荒波にもまれると
権力とは…。で実感する内容が多く含まれています。
40過ぎると誰もが経験することなんでしょうね。


ちなみに、陸軍参謀の児玉源太郎は、戦争後すぐ亡くなっています。
精神的に厳しい日々を送ると、過労で、気が抜けた瞬間に命を落としている。
優秀な人はバタバタ死んでいって、最後に残った伊藤博文が総理になるような感じ。
社会人あるある。ですね。

 

 

本を読んでも、会社で働いても、何のために働き、何が幸せなのか、
今でもよくわからない。

 

 

 

 


坂の上の雲で一番好きなシーンは、東郷ターンです。
何度読んでも鳥肌が立ちますし、この東郷ターンのために8巻分の文章が必要だったと思います。


以下に、書籍の好きな文言を取り上げています。
1~3巻は特にありません。
4巻以降です。

陸戦(旅順攻囲や203高地)よりも、そのあとの諜報活動が好きです。

 


ちなみに、日露戦争後のポーツマス条約締結の話である
ポーツマスの旗@吉村 昭 も結構面白いです 

 

 

4巻

P252
作戦という頭脳の作業でもあるいはごく単純作業でも人間はリズムで動いている。
思考にもリズムがある。それを何日も中断してしまうと、リズムが容易によみがえらず元

に戻るのに多少の時間がかかる

P264
全戦線が配色で崩れた時、見方を大崩壊から食い止める唯一の道は、総大将の器量による


全軍から信望を得ている必要がある。山のように動かず将士の前途希望を持たせつつ、
鼓舞し、あくまで沈着豪胆に指揮機能をはたしてゆくことが望ましい


P342
総大将の任務は、不満や不安(集団恐怖)を鎮静させること
人心を統一し、士気を高め敗北心理を持たせない。
上層部が1mmの振幅で動揺すれば、それが下部層に伝わるころには1mの振幅になると心得

 

 

 

5巻

P42
戦国時代には自分たちの大将が無能である場合、その支配から逃れる自由を持っていた。
このため、無能だと敵に負けるより先に配下の将士たちが主人を見限る

P60
軍人が階級が上がるごとに耄碌してくる理由は自分の身の回りを自分でやらないから。
一兵卒のようにちまちまやっていると貫禄はできない。

P112
連戦連敗の原因は現地の報告だけを基礎に机上で作戦計画を練っているため。
現状把握できないのは現地を知らない証拠

P99
専門家は意外な着想を思いつく知識と精神のゆとりがない
これまでの経験で「できない」と答える。試行範囲が狭い

P189
兵理は自ら会得するもの。先人や先輩から教わるものではない
あらゆる戦士を読んで研究せよ、読める限りの兵書を読むべきである。
そのうえで、自ら原理を抽象せよ。兵理は個々に研究して個々に会得する
→要するに、教科書は個々に作る以外ない

P355
戦術家が自由であるべき構想力を個の固定概念で自ら縛り付けるということは最も警戒す

べきこと
→「絶対にない」ということはない

 

 

 

6巻

P20
日露戦争
工兵の仕事は野戦築城、道路や橋梁かけ
攻城のための坑道掘り、施設の爆破、上原「坑道教範」

P43
兵力の逐次投入
戦術上の常識は、大胆に大量投入
兵力不足を惜しむと、いたずらに損害を増やす

P92
戦争は「勝つ」ということを目的にする以上、勝つべき態勢を整えるのが当然の戦略
明石 元二郎

P139
最も優れた間諜は、もっともすぐれた構想力の持ち主

P186
目的に向かって周到に配慮し、構想し、実行については、あらゆる機会を逃さず、機敏に

行動し、ほとんど狂人のように進んでいく、すべての成功者がそうであるように偏執的で

あった。

P212
多くの革命は、政権の腐敗に対する怒りと正義の情熱の持続によって成立するが、革命が

成立した時、それらはすべて不要か害毒になる。革命の後は、権力を構成してゆくための
マキャベリズム(権諜術数)と見せかけの正義だけが必要であり、本物の正義はむしろ害

悪になる

P365
児玉
戦争を始めたモノには、戦争を止める技量がなくてはならぬ
この貧乏国がこれ以上戦争を続けて何になるか

 

 

7巻

P69
維新後はわずか30年で各国の水準並みの技術効果を上げたいという欲求は当然ながら真

似になった。世界の最優秀の技術サンプルをことごとく集め、優劣を検討しつつ国産品を

生み出すやり方である。
このやり方は無難でいい。
しかし、このやり方の致命的な欠陥は独創で開発する場合と違い、その時点での水準を凌

駕できない。時には世界の水準より宿命的に遅れることがあった。独自の力で技術を開発

している国々から一歩も二歩も遅れる

P113
国家であれ、大軍団であれ、またほかの集団であれそれらが大躓きに躓くときはその遠因

近因ともに複雑で、一人や二人の高級責任者の能力や失策に帰納されてしまうような単純

なものではなく、無数の原因の足し算なり掛け算からその結果がうまれる

P186
大男になるための最大の資格は、最も有能な配下を抜擢してそれに仕事を自由にやらせ最

後の責任だけは自分がとるということだった

P225
外交の本質は策略よりも誠実であることが原則

P232
外交官というのは、いかに末端の仕事を担当していても即座にでも日本国の首相が務まる

ほどの結論と構想を用意しておかなければならない性格の職務

P216
ルーズヴェルトは当然のことながら日露戦争については、アメリカの利害を中心に考えて

いた。
「ロシアがアジアにおいて強大になることは、アジアにおける勢力均衡が崩れることにな

る。日本でこれを抑える」世界のどの国家もそれなりの世界政策を持っており、時に他国

の道具になったり、他国を道具にして世界政策を成立せしめていた
ルーズヴェルトは日本が勝つことを望んでいたが、大きく勝ちすぎることを望んでいなか

った。小勝を得しめるべきと考えた。勝利が大きいと、日本がロシアの座を占める。

P330
「目的には単一性が重要」
ロジェストウェンスキーは敵に勝つという目的に対してあらゆる集中を行うべき知的作業

において二兎を追った。
まはんの戦略理論
一行動が一目的のみを持たねば戦いには勝てない


8巻

P152
「砲員の能力も大切だが、それ以上に射撃指揮法が大切である」と「砲員の能力に頼っていても飛躍はない」ということに気づき、指揮法を研究して、海軍常識では別個の独創的な方法を開発した

P176
心形刀流@伊庭想太郎
剣にかぎらず物事には万策つきて窮地に追い込まれることがある。
その時は瞬時に積極的行動に出よ。
無茶でも何でもいい、捨て身の行動に出るのである。これがわが流儀の極意である。

P327
井口省吾
教科書というものは、人間が作るもので、ところがいったんこれが採用されれば
一つの権威になり、そのあとの代々の教官はこれに準拠してそれを踏襲するだけになります。
いま教科書がないために教官たちは頭脳の限りを尽くして教えているわけであります。
すなわち、教官の能力如何が学生に影響するために勢い教官は懸命に研究せねばならなくなり、このため学生も大いに啓発される。